💡 LINE WORKS AiNoteとは
LINE WORKS AiNote(ラインワークス エーアイノート)は、LINE WORKS株式会社が提供するAI搭載の議事録自動作成・音声文字起こしツールである。旧名称「CLOVA Note(クローバノート)」として2022年5月にベータ版がリリースされ、累計100万人以上のユーザーを獲得した実績を持つ。2024年11月に正式版として「LINE WORKS AiNote」にリブランドされ、2025年4月に有償プランの提供が開始された。
LINE WORKS株式会社は、韓国NAVERの子会社であるNAVER Cloudが78%、LINEヤフーが22%を出資する企業で、本社は東京都渋谷区に置かれている。2015年の設立以来、法人向けコミュニケーションツール「LINE WORKS」を中核事業として展開しており、2023年4月にはLINE社のAI事業を統合。その技術力を結集して開発されたのがこのAiNoteである。
NAVER Cloudが長年蓄積してきた自然言語処理技術と音声認識AIエンジンを基盤としており、特に日本語の認識精度においては業界トップクラスの評価を得ている。会議の音声をリアルタイムで録音・文字起こしするだけでなく、誰が何を発言したかを自動的に識別する「話者分離」機能が大きな特徴で、国際コンペティション「DIHARD3(2021年)」では世界3位の実績を誇る。
⚙️ 主要機能の詳細

LINE WORKS AiNoteは、会議の録音から議事録作成までの一連の業務を包括的にサポートする多彩な機能を備えている。以下、主要な機能について詳細に解説する。
高精度AI文字起こし
自社開発の音声認識AIエンジンにより、会議中の発言を高精度にテキスト化する。一般的な文字起こしツールでは認識が難しい専門用語や固有名詞についても、「よく使う単語登録」機能で事前に登録しておくことで認識精度を大幅に向上させることができる。大阪弁など方言を含む発言や、滑舌が悪い話者の音声も比較的正確に書き起こせるとユーザーから高い評価を受けている。
対応言語は日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語の4言語。多言語が混在する会議にも対応でき、グローバル企業や国際的なビジネスシーンでの活用にも適している。
世界トップクラスの話者分離技術
LINE WORKS AiNoteの最大の差別化ポイントとなっているのが、話者分離(Speaker Diarization)機能である。複数人が参加する会議において、各発言者の声を自動的に識別・分離し、「誰が何を発言したか」を明確に記録する。ITreviewのレビューでも「話者分離機能が秀逸で他のツールとの差別化ポイントになっている」と評価されており、大人数の会議でも発言者ごとに整理された議事録が自動生成される。
話者の名前は会議後に手動で割り当てることも可能で、一度登録した話者の声紋情報を学習することで、次回以降の認識精度がさらに向上する仕組みとなっている。
AI要約機能
有償プランで利用可能なAI要約機能は、長時間の会議録から重要なポイントを自動的に抽出・要約する。3つのタイプの要約が提供される。
1つ目は「全体要約」で、会議全体の内容を簡潔にまとめたサマリーを自動生成する。2つ目は「キートピック抽出」で、AIが会議中の重要な議論ポイントや決定事項を自動的に識別して一覧化する。3つ目は「セクション別要約」で、会議の内容を話題ごとにセグメント分けし、それぞれのセクションについてタイムスタンプ付きの要約を生成する。
これにより、1時間を超える長時間会議でも、数分で要点を把握することが可能になる。
Web会議連携
Zoom、Microsoft Teams、Google Meet、Cisco Webex、LINE WORKSの5つの主要Web会議プラットフォームとの連携に対応している。Web会議の音声をリアルタイムで録音・文字起こしできるため、会議中にメモを取る必要がなくなり、参加者は議論に集中できる。
音声ファイルアップロード
Web会議だけでなく、録音済みの音声ファイルをアップロードして文字起こしすることも可能。対面会議やインタビュー、セミナーの録音データなど、さまざまな音声コンテンツを議事録化できる。スマートフォンアプリからの直接録音にも対応しており、外出先でのミーティングや商談の記録にも活用できる。
管理・セキュリティ機能
法人向けツールとして、管理者向けの充実した機能を備えている。ユーザー・組織管理機能により、部署やチームごとにメンバーを管理でき、ノートの検索・削除・機能制限なども管理者が一括でコントロールできる。監査ログ機能により、誰がいつどのような操作を行ったかを追跡することも可能である。
セキュリティ面では、シングルサインオン(SSO)対応、2段階認証、管理者権限設定など、エンタープライズグレードのセキュリティ機能を実装。ISO/IEC 27001、27017、27018、27701、SOC2/SOC3の取得も予定されている(LINE WORKSサービスでは取得済み)。
ブックマーク・ハイライト・キーワード検索
文字起こしされたテキスト内で重要な箇所にブックマークやハイライトを付けることができ、後から素早く確認できる。キーワード検索機能により、過去の会議記録から特定のトピックや発言を即座に見つけ出すことも容易である。
💰 料金プラン

LINE WORKS AiNoteは、無料プランから大規模法人向けエンタープライズプランまで、5つの料金プランを提供している。すべての有償プランで初期費用は無料である。
フリープラン(月額0円)
個人利用者向けの無料プランで、月間300分(5時間)の文字起こしが可能。最大30人までのユーザーが利用できる。ただしAI要約機能は利用不可で、データ保管期間は1年間と制限がある。文字起こしの基本機能を試してみたいユーザーに適している。
ソロプラン(月額1,440円〜)
個人事業主やフリーランス向けのプランで、年間契約の場合は月額1,440円(税抜)、月払いの場合は1,600円(税抜)。月間600分(10時間)の文字起こしが可能で、AI要約は月12回まで利用できる。1時間あたりのコストは約144円と非常にリーズナブルである。
チームプラン(月額19,800円〜)
少人数のチーム・部門向けプランで、年間契約の場合は月額19,800円(税抜)、月払いの場合は22,000円(税抜)。月間6,000分(100時間)の文字起こしが可能で、AI要約は月120回まで利用できる。1時間あたり198円のコストで、ユーザー数は無制限。チーム全体の文字起こし時間を共有して使用する仕組みとなっている。30日間の無料トライアルが利用可能。
ビジネスプラン(月額54,000円〜)
部署単位での本格導入に適したプランで、年間契約の場合は月額54,000円(税抜)、月払いの場合は60,000円(税抜)。月間18,000分(300時間)の文字起こしが可能で、AI要約は月360回まで利用できる。1時間あたり180円とチームプランよりさらにお得になる。30日間の無料トライアルが利用可能。
エンタープライズプラン(月額162,000円〜)
企業全体での大規模導入向けプランで、年間契約の場合は月額162,000円(税抜)、月払いの場合は180,000円(税抜)。月間60,000分(1,000時間)の文字起こしが可能で、AI要約は月1,200回まで利用できる。1時間あたり162円と最もコストパフォーマンスが高い。データ保管期間は最長5年間。
追加時間オプション
基本の文字起こし時間を使い切った場合は、100分単位で追加購入が可能。年間契約なら月360円、月払いなら400円、スポット購入なら440円で追加できる。追加100分につきAI要約2回分も付属する。
すべての有償プランの支払い方法はクレジットカードで、年間契約と月払いから選択できる。
🌏 日本語対応度
LINE WORKS AiNoteの日本語対応は極めて充実している。UIは完全に日本語化されており、ヘルプドキュメント、サポートもすべて日本語で提供されている。
音声認識エンジンは日本語に特化したチューニングが施されており、ビジネスシーンで頻出する専門用語や略語も高い精度で認識する。「よく使う単語登録」機能を活用すれば、社内固有の用語や製品名なども正確に書き起こすことが可能。ITreviewのユーザーレビューでは「大阪弁の参加者や滑舌の悪い人もいるが、かなりの精度で書き起こしてくれている」という評価があり、標準語以外の日本語にも一定の対応力がある。
開発元のLINE WORKS株式会社の本社が東京にあることから、日本市場を最重要マーケットとして位置づけており、日本語対応の品質は今後も継続的に改善されることが期待できる。メールサポートも日本語で平日9:00〜18:00に対応しており、日本のビジネスユーザーにとって安心して利用できる環境が整っている。
✅ メリット・デメリット
メリット
第一に、業界屈指の低価格が挙げられる。1時間あたり約162〜198円という価格設定は、他のAI議事録ツールと比較して圧倒的にリーズナブルである。初期費用も無料のため、導入のハードルが非常に低い。
第二に、話者分離技術の精度の高さである。DIHARD3世界3位の技術力を背景に、複数人の会議でも発言者を正確に識別できる。これは競合ツールと比較しても明確な優位性となっている。
第三に、日本語認識の高い精度がある。日本語に特化した音声認識エンジンにより、専門用語や方言を含む発言も高精度で文字起こしできる。
第四に、主要Web会議ツールとの幅広い連携が可能である。Zoom、Teams、Google Meet、Webex、LINE WORKSの5大プラットフォームに対応しており、ほとんどの企業の会議環境をカバーできる。
第五に、無料プランの存在である。月300分の文字起こしが無料で利用できるため、導入前に十分な評価が可能。有償プランについても30日間の無料トライアルが用意されている。
第六に、法人向けのセキュリティ・管理機能が充実している点がある。SSO対応、2段階認証、監査ログ、管理者権限設定など、エンタープライズグレードの機能が備わっている。
デメリット
第一に、フリープランではAI要約機能が使えないという制約がある。AI要約はAiNoteの大きな魅力の一つであるが、無料ユーザーはこの機能を体験できない。
第二に、リブランドに伴うアカウント移行の煩雑さが指摘されている。CLOVA Noteから移行する際に新規アカウント作成やデータ移行作業が必要で、一部のユーザーからは「使い始めるまでが超めんどうだった」との声もある。
第三に、対応言語が4言語に限定されている。日本語・英語・中国語・韓国語には対応しているが、フランス語やスペイン語など欧州言語には現時点で非対応である。
第四に、デスクトップ専用アプリケーションが提供されていない。PCからの利用はブラウザ経由となるため、オフライン環境での使用には制約がある。
第五に、文字起こし時間に月間上限がある点である。プランごとに設定された上限を超えると追加料金が発生する。会議が多い月には追加購入が必要になる可能性がある。
第六に、NAVER Cloud傘下の企業であるため、ユーザーデータが海外に転送される可能性がある。データの取り扱いについては同意が必要であり、情報セキュリティに厳格な企業では検討が必要となる場合がある。
🎯 向いている人・向いていない人
向いている人
会議が多く、議事録作成に多くの時間を費やしているビジネスパーソンに最適である。特に、会議の記録を正確に残したいが手作業での議事録作成が負担になっているチームリーダーやマネージャー層に強くおすすめできる。
日本語の会議を多く行う企業・チームには特に向いている。日本語認識の精度が高く、UIも完全日本語化されているため、ITリテラシーに関わらず導入しやすい。
コストを重視する中小企業やスタートアップにも適している。1時間あたり約198円からという低価格設定は、予算が限られた組織でも導入しやすい。無料プランから始めて段階的にアップグレードできる点も魅力である。
個人事業主やフリーランスで、クライアントとの打ち合わせや取材の記録を効率化したい方にも、ソロプラン(月額1,440円)が手頃な選択肢となる。
Zoom、Teams、Google Meetなど複数のWeb会議ツールを使い分けている企業にも向いている。1つのツールで主要5プラットフォームの会議を一元管理できるメリットは大きい。
向いていない人
日本語・英語・中国語・韓国語以外の言語を主に使用する企業には向いていない。欧州言語やその他のアジア言語には対応していないため、これらの言語での会議が主体の場合は別のツールを検討すべきである。
完全オフライン環境での利用が必須の場合も不向きである。LINE WORKS AiNoteはクラウドベースのサービスであり、インターネット接続が前提となっている。
データの国外転送に関するポリシーが非常に厳格な企業も、導入前に慎重な検討が必要である。NAVER Cloud傘下の企業であることから、データの取り扱いについて社内のセキュリティポリシーとの整合性を確認する必要がある。
月間の会議時間が極端に少ない個人ユーザーの場合は、無料プランで十分対応できるが、有償プランを契約するほどのメリットは感じにくい可能性がある。
高度なカスタマイズやAPI連携を前提とした開発を行いたい場合、AiNote単体でのAPI提供は現時点で限定的であるため、より柔軟なAPIを提供する競合ツールのほうが適している場合がある。
🚀 始め方・活用のコツ
始め方
LINE WORKS AiNoteの利用開始は、公式サイト(https://line-works.com/products/ainote/)からアカウントを作成することから始まる。フリープランであれば、メールアドレスの登録だけで即座に利用を開始できる。
ステップ1として、公式サイトにアクセスし「無料で始める」ボタンからアカウントを作成する。LINE WORKSの既存アカウントがあればそのまま利用可能である。
ステップ2として、PCブラウザ版またはスマートフォンアプリ(iOS/Android)をセットアップする。PCブラウザ版はインストール不要で、対応ブラウザからすぐにアクセスできる。
ステップ3として、最初の録音を行う。対面会議の場合はスマートフォンアプリで直接録音するか、Web会議の場合は連携設定を行って自動録音を開始する。
ステップ4として、文字起こし結果を確認し、必要に応じて修正や話者名の割り当てを行う。
有償プラン(チーム・ビジネス)を検討している場合は、30日間の無料トライアルから始めることを強くおすすめする。トライアル期間中はすべての有償機能が利用可能なため、実際の業務に即した評価ができる。
活用のコツ
コツ1:「よく使う単語登録」を積極的に活用する。社内用語、製品名、人名など、一般的な辞書には含まれない固有名詞を事前に登録しておくことで、認識精度が劇的に向上する。導入初期に主要な専門用語をまとめて登録しておくと効果的である。
コツ2:会議前にマイクの品質を確認する。音声認識の精度は入力音声の品質に大きく依存する。できるだけ高品質なマイクを使用し、雑音の少ない環境で録音することで、文字起こしの精度が向上する。Web会議の場合は、参加者に高品質なヘッドセットの使用を推奨するとよい。
コツ3:話者分離の精度を最大化するため、会議の冒頭で参加者全員が自己紹介するなど、各話者の音声サンプルが含まれるようにするとよい。これにより、AIが各話者の声の特徴を学習しやすくなる。
コツ4:AI要約機能を活用して会議の要点を素早く共有する。長時間の会議後に全文を読み返す必要がなくなり、決定事項やアクションアイテムの共有が迅速化する。セクション別要約を活用すれば、特定の議題についてのみ深掘りすることも容易である。
コツ5:ブックマーク・ハイライト機能を活用して重要な発言をマークしておく。後日の確認や報告書作成の際に、重要箇所に素早くアクセスできるようになる。
コツ6:チームプラン以上を利用している場合、管理者がユーザー権限や共有設定を適切に構成することで、情報漏洩リスクを低減しつつチーム内での効率的な議事録共有が実現できる。
📊 総合評価
LINE WORKS AiNote(旧CLOVA Note)は、日本語対応の高精度なAI議事録・文字起こしツールとして、国内市場において非常に競争力の高いサービスである。
最大の強みは、NAVER Cloud由来の世界トップクラスの話者分離技術と、日本語に特化した高精度な音声認識エンジンの組み合わせにある。これにより、複数人が参加するビジネス会議において、発言者を正確に識別しながら高品質な文字起こしを実現している。
料金面でも、1時間あたり162〜198円という業界屈指の低価格を実現しており、中小企業から大企業まで幅広い規模の組織にとって導入しやすい価格帯となっている。無料プランの存在も、リスクなく評価を開始できるという点で大きなアドバンテージである。
一方で、CLOVA Noteからのリブランドに伴う移行の煩雑さや、対応言語が4言語に限られている点、フリープランでのAI要約の制限など、いくつかの改善余地も残されている。
総合的に見て、日本語環境でのAI議事録ツールとしてはトップクラスの選択肢であり、特にコストパフォーマンスを重視する企業や、会議の多いビジネスパーソンにとって強力な業務効率化ツールとなるだろう。CLOVA Noteで培った100万人以上のユーザー基盤と、LINE WORKSブランドの信頼性も含め、今後さらなる機能拡充と進化が期待できるサービスである。
⚖️ 競合ツールとの比較

AI議事録・文字起こしツール市場には多くの選択肢が存在するが、LINE WORKS AiNoteにはいくつかの明確な差別化ポイントがある。
Nottaと比較した場合、両者ともに日本語対応の高精度文字起こしを提供しているが、LINE WORKS AiNoteは話者分離技術においてDIHARD3世界3位の実績を持つ点で優位性がある。一方、Nottaは104言語に対応しており、多言語対応の幅広さではNottaに軍配が上がる。料金面では、LINE WORKS AiNoteのほうが大規模利用時の1時間あたりコストが低い傾向にある。
PLAUD NOTEと比較した場合、PLAUD NOTEは専用のAIレコーダーハードウェアとソフトウェアの組み合わせによる差別化を図っているのに対し、LINE WORKS AiNoteはソフトウェアのみで完結する。ハードウェア購入不要で始められるLINE WORKS AiNoteは、初期投資を抑えたい企業に適している。
YOMELと比較した場合、YOMELは法人向けに特化したAI議事録ツールとして知られるが、LINE WORKS AiNoteはフリープランの存在により個人ユーザーから法人まで幅広い層にアプローチできる点で優位である。また、LINE WORKSとの連携によるシームレスな社内コミュニケーションは独自の強みとなっている。
いずれの競合ツールとの比較においても、LINE WORKS AiNoteの最大の強みは「圧倒的な低コスト」と「世界トップクラスの話者分離精度」の2点に集約される。特に日本語環境でのコストパフォーマンスを重視するユーザーにとっては、最優先で検討すべきツールといえるだろう。

